GENE OVER WRITE #3
Gene Over Write
#3
新たな世界>>>
「ご用件はなんでしょうか?」
「すいません、イゴの取得を検討していてお話を伺いたいのですが、、」
「わかりました。少々お待ちください。」
こんなあっさりしているのか、、ちょっと心配だな。
「お待たせいたしました。A2号室へお入りください。」
えーっとA2号室はあそこか。取得する前に色々知っておきたいな。
「イゴの取得を検討しているということで、何から話しましょうか?」
「そうですね、、まずはイゴの取得に対するメリットとデメリットを知りたいです。」
SSG-STAFFからは以下のことを言われた。
【メリット】
・体力(解明されていないが疲労が伴う)を削り、特殊能力が発動できる。
・一生、SSGから様々な援助が受けられる。
・IGOに関する極秘事項1類を知り、それに関する研究も知ることができる。
【デメリット】
・完全に安全と判断されていないため死を伴う危険が存在する。
・逆に言えばSSGの監視を一生受けることになる。
ほとんどの人は「特殊能力」というアニメにしか出てこなかったような異世界技術を実際に使うことに目が眩んでイゴを取得しているらしい。
「以上です。何か質問等はありますか?」
「そうですね、、このIGOは”時空”に何か関与していますか?」
「・・・それ以上は私からお話しすることはできません。権限、というものでしょうか。」
心に何か引っかかった。それが何か今はわからない。
様々な援助も受けられるし大勢が受けているのだから取得してもいいと思った。
「わかりました。参考になりました。検討してみます。」
「ありがとうございます。では。」
さて。どうしようか。
「母さん、イゴを取得しようと思う。それについて何かある?」
「今朝も行ったけれど、私はあなたがいいと思うなら止めないわ。」
よし、イゴを取得しよう。ユイのためにも何かできればいいという思いが一番強かった。
明日の朝に申請に行こう。
ーーーーーーAt:SSG会議室
「例のタカナシユイさんの件ですが、現状の研究報告をいたします。」
「まず、あざの詳細についてです。未だ研究は完了していませんが、現代医療では見たこともない傷であり細胞が壊死し壊死していないという不可解な状態にあることがわかっています。そのあざからは新たに体内で形成されたと思われる神経が脳幹に発達しており、これに障害を与えるとどうなるかははっきりしていません。また、あざの成分等は全てError値を示しており、質量、物質共に不明です。容体に関しては定期的なDOA(ドーパミン)の少量投与によって回復できることがわかりました。以後、観察していきます。」
会議室は少しざわついた様子だった。
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