穴底

穴底

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時さえも凍り付く極寒の地 トカルトコルデ

大陸は氷で出来ていて 民は必死に飢えを凌ぐ
蔓延る魑魅魍魎は果てなく増え続け
巨大な歯車は古代文明の名残と化す そんな場所の とある冒険家の話


前書:なんでもこの二次創作活動が再始動してからDL数が上がったとか。


 

足元が崩壊し 落ちた先は 氷の中の洞窟だった 上を向けば 小さな隙間が見える 足場が大きく崩壊したのではなく ほんの一部のみ 抜けたみたいだ そして落ちた距離も大きな傷を負う程高い訳ではなかった。上手く衝撃を逃がせれなかった為 今も脚が痺れる 崩壊した氷塊の破片が両足を傷つけた。
少し休まねばならない 氷で囲まれた恐ろしく寒い空間だが 少しだけ 地上よりは暖かい空気が籠っている気がした。

鞄に詰めてあった弁当箱の蓋を開け 氷と一緒に保存した魚を松明で焼く。鍋に水を入れて その下に燃える物を敷き詰めて松明の火を移す 時間はかかるが・・・ お湯を作って骸から手に入れた襤褸を浸して滅菌する。
沸くまでに耐寒ズボンに刺さった氷塊を取り除いて 触って軽く怪我をしているか確認する。せめてカマクラの中のようなもっと安心出来て 暖かい場所で怪我の詳しい診察をしたい しかし触れど触れど痛む事はしなかった どっちにせよカマクラに入ればしっかりと調べるが。

-_-_-_-_-_-

粗方のすべき事を終え 私は立ちあがり ここから出る事にした 民より譲り受けた縄とピッケルを組み合わせてグラップリングフックを作ってみるのもいいが 上手く地上に引っかかるか分からないし 引っかかってもそこが崩落すれば意味はない それにこの穴を調べ終えた訳ではない。

私の目の前には巨大な動物の物と思われる骨が鎮座している そしてその周りを]ウシャーンカ[という毛皮を巻いて出来た帽子を被った人型が集まっている 否 恐らく彼らは人だ 骸でもなく 或いは鉄蟻のような人型をした怪物でもない しかし友好的ではなかったようだ。彼らも私を見つけたようだが 私と会話を試みるのではなく皆武器を構え始め そして襲い掛かってきた 数では負けているが 相手も人間 ならば出血や地面に空いた穴の水の中に落としてやる事も出来る 私が死ぬ条件で相手も死ぬのなら 対処は容易いのだ。

走りよってきた蛮族の子供を攻撃する 子供に対する攻撃だって 砂漠で・・・ 否 それ以前になれた 命を狙ってくるならば容赦なく攻撃しなければならない。二人の蛮族の子供のうち片方をを剣の腹で殴り もう片方を刃で目を狙って切る すぐ近くまで来ていた盾を持った男の盾を使った打撃攻撃を避けながらも咄嗟にピッケルを盾を装備していた腕の肘を狙って突き刺す。拳で攻撃してきた白いウシャーンカを被った男を剣の間合いを利用して腹を突き刺すようにして切り裂いた。

その後ももう苦しまないよう止めをさし この場に居た問答無用で攻撃してきた蛮族を殺し終えた私は 彼らの装備を剥いだ 暖かそうな毛皮の服と頑丈そうな盾 役に立つものは再利用せねばなるまい。

とりあえず 骨をよじ登って地上に出るか

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